文学って感じの装丁ですね。 |
今手に入れた昔読んだいい本
アイザック・ディネーセン『アフリカの日々』
随分前に図書館で借りて読んだ本で、なんでこの本を読もうと思ったのかは、もう思い出せない。
多分、パラッとめくって、目に飛び込んできた文章がよかったからじゃないだろうか?
そして、その頃のアフリカへの思いみたいな一部の間での空気感も作用したと思う。
90年代くらいかなあ? その頃から私は日本のマスメディアを目にしたくない、耳にしたくない、という思いから、短波ラジオばかり聞いていた。
海外の国がやっているプロパガンダ放送みたいなのが主だったが、アメリカ合衆国のVOAもよく聞いていた。
放送に対する感想や受信報告書を送ると、ちょこちょことグッズなんかもらえたのだ。
ときには、政治的な問題に関してどう思うのか? みたいなアンケートと言うか質問なんかも送られてきた。
返す文もなにもかも、英語で書いて送るのだ。
それでも今だに英語が身についていないという悲しいことがあるが、そのVOAも、アジアに対するプロパガンダは済んだみたいで、次はアフリカだったのだ。
なんてことも関係して私の中にも『アフリカかあ』、なんて言葉だけで、具体的なアフリカのことがわからずにその言葉だけ大きくあったのだった。
なので、アフリカについて知ることもいいか、みたいな気持ちでこの本を手にしたのではないかと思う。
コイズミ・キョーコでさえ、『アフロピア』なんてCDアルバムを発売していたくらいなのだ。
で、どうして今またこの本なのか、と言うと、文がよかったのである。
アフリカのことだし、アイザック・ディネーセンなんて知らないのだが、なんと文がよくて、スパンスパンと文が頭に刻まれていく感じで、そうか、表現力があるとどんなことでも人の心に届かせられるものなんだな、とかアフリカのことよりも、文のよさにこころうたれたのだった。
一度図書館で借りて読んで、この本は返したくない、とさえ思ったのだが、また借りて読んだときは、内容に関して、これがどうしたというんだろう? みたいなしらけた気持ちになった。
が、最初に感じた文の良さのことは忘れられない。
それで、そう言えばあの本あるのかなあ? とアマゾンで検索したら出てきたので、購入したのである。
昭文社の本で、定価2370円。
アマゾン購入額は235円。送料250円だった。
CD,レコードなんかもそうなのだが、これはいいよなあ、と自分で思った本は、手元においておきたい、って気持ちがある。
昔読んだいい本は、アマゾン、ヤフオクなんかに出ていることがあるので、気になる本がある方は、検索してみたらどスか?